欧州特許実務

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欧州特許出願用の明細書作成の際に様式面で留意すべきこと4点

欧州特許出願用の明細書・クレーム・要約の様式はDecision of the President of the European Patent Office dated 25 November 2022 で定められています。以下に欧州特許出...
その他

G2/21の差戻審で完全勝利しました。

先日の記事「付託審判部によるG2/21の解釈」でアナウンスしたように本日2023年7月28日にG2/21の差戻審(T 116/18)の口頭審理に参加してきました。 無事に我々のMain Requestが認められ完全勝利という形で口頭審理を終...
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現在UPCに係属中の裁判全件の一覧表

現時点で統一特許裁判所(UPC)に係属中の裁判全件を一覧表にしてみました。やはりと言うべきかドイツでの裁判が多いです。 種類 場所 特許番号 原告 被告 訴額 侵害訴訟 Düsseldorf EP3795501 Ocado Innovati...
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かなり悩ましい自己衝突という問題

日本の特許法29条の2では、出願にかかる発明が出願後に公開された先願に記載された発明と同一である場合は特許を受けることが出来ない旨が規定されていますが、以下のただし書きにより出願人または発明者が同一の場合には適用されません。 日本の特許法2...
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[Plausibility]付託審判部によるG2/21の解釈[T 116/18]

以前の記事「拡大審判部の審決G2/21の解説」で説明したように拡大審判部の審決G2/21のHeadnote IIにより「技術常識を念頭に置いて、当初の出願に基づき、当業者が技術的教示に包含され、同一の当初開示された発明によって具体化されるも...
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欧州特許出願用の図面データ作成の際に留意すべきこと5点

欧州特許庁ではグレースケールの図面が認められたり、カラー図面や写真が禁止されていなかったり、「FIG.2A」のように図番にアルファベットを付すことが許されていたりと図面作成の自由度が高いです。 しかし欧州特許庁は図面の特定の事項についてはか...
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客観的技術的課題をあえて「単なる代替物の提供」とするほうが好ましい場合があります

欧州特許庁における進歩性の議論では主文献に対する有利な技術的効果を立証し、当該技術的効果に基づくambitiousな客観的技術的課題を主張し、客観的技術的課題がtrivialな「単なる代替物の提供」と認定されることを防ぐことが定石です(進歩...
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EPOでは新規性を否定するためのハードルが高いです

欧州特許庁は補正による新規事項の追加に厳しいことはご存じの方も多いかと思います。これは欧州特許庁が出願の開示内容を把握する際に「直接的かつ明確に(directly and unambiguously)」導き出せることを「gold stand...
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拡大審判部の審決G2/21の解説

既にJetroなどのニュースでも取り上げられているのでご存知の方も多いかと思うのですが、証拠の後出し(post published evidence)の取扱いの問題を扱ったG2/21について欧州特許庁の拡大審判部の審決が公表されました。 こ...
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Opt Outの効果は本当に移行期間終了後も持続する?

Opt OutとはUPC協定の移行期間内(7~14年)の間に認められる従来の欧州特許についての統一特許裁判所の管轄の除外するための手続きです(Opt Outについてより詳しく知りたい方は「欧州単一特許制度についてよくあるQ&A」をご参照くだ...
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欧州で数値範囲同士を組み合わせる補正は難しいです

数値範囲は明細書で通常、以下のように段階的に狭くなりながら開示されます。 「本発明の組成物におけるAの濃度は1~20%であり、5~15%であることが好ましく、8~12%であることが特に好ましい。また本発明の組成物におけるBの濃度は10~30...
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欧州特許庁、手続料金の値上げを公表 2023年版

欧州特許庁は2023年1月のOfficial Journalで2023年4月1日から手続料金を引き上げることを公表しました。主な料金の改定は以下の通りです(カッコ内は旧料金)。 オンライン出願料 135ユーロ(130ユーロ) クレーム料 1...
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公知の数値範囲とオーバーラップしても新規性が認められることがあります

以前の記事「 欧州ではクレームされた数値範囲が公知範囲とオーバーラップすると新規性が否定されます」では、クレームされた数値範囲が公知の数値範囲と一部オーバーラップする場合は原則、新規性が否定されることを説明しました。 しかしこの原則には例外...
その他

「Result to be achieved」は補正無しで解消可能です

欧州特許庁における審査過程ではよく「Result to be achieved(達成しようとする結果)」という問題が発生します。例えばクレームが機能的特徴を含む場合、欧州特許庁の審査官は頻繁に当該機能的特徴は「Result to be ac...