よく聞くけど、イマイチ分かってない、けれども今更聞けないEPOの用語集

欧州案件を担当しているとよく聞くけど、イマイチよく分かってない、けれども今更聞けないといった方が多いのではないかと思われる欧州特許庁の用語をまとめてみました。

指定料(designation fee)

2007年までは欧州特許出願をする際に移行を希望するEPC加盟国を指定する必要がありました。そして指定国の数に応じた指定料を納付してました。しかし現在ではEPC加盟国がみなし全指定されるので(EPC79条(1))、加盟国の指定という作業はなくなりました。しかしながら全指定分の指定料だけは残りました。

規則161条(2)/162条の通知 (Communication pursuant to Rules 161(2) and 162 EPC)

PCTルートの欧州特許出願において欧州調査開始前に出願人に補正の機会を与える通知です。PCT出願を欧州に移行してから約1月後に発行されます。通知を受けてから6月以内に補正をすることが出来ます。早期権利化を望む場合はこの通知を受ける権利を放棄することもできます(過去の時期「早期審査(PACE、PPH)以外の審査期間短縮手段」をご参照下さい)。

調査と審査 (search and examination)

2002年以前は調査部と審査部とが完全に別部門で、調査の担当者と審査の担当者とが別でした。しかし2002年の終わりにBEST system(Bringing Examination and Search Together)が導入されて以降は同一の審査官が調査も審査も行います。このため調査と審査とを分ける意味はなくなりました。しかしながら調査段階、審査段階という形式的な分別そして調査料、審査料といった2段階の費用徴収制度はそのまま残りました。

拡張欧州調査報告 (Extended Eruopean Search Report: EESR)

2005年よりも前の欧州調査報告は引用文献のリストだけで構成された簡素なものでした。しかし引用文献のリストだけでは特許性の有無が不明でユーザにとってフレンドリーではありません。そこで2005年に特許性に関する見解書を添付して欧州調査報告を拡張しようとして生まれたのが拡張欧州調査報告です。

補充欧州調査報告(Supplementary Eruopean Search Report: SESR)

PCTルートの欧州出願で発行される欧州調査報告です。「国際段階で調査されたけど念のため補充で調査しておくね」という意味で「補充」が付されています。内容は引用文献のリスト+見解書の拡張欧州調査報告そのものです。

規則71条(3)の通知 (Communication pursuant to Rule 71(3) EPC)

審査部が審査終盤に発行する「この書面の内容で特許査定を出そうと思うんだけと文句ない?文句無いなら査定料とクレーム翻訳提出してね」ということを出願人に問う通知です。「特許査定予定通知」や「特許付与予定通知」とも称されます。特許査定ではありません。

10日ルール (10 days rule)

書類が発送日(郵便サービス提供者に引き渡した日)から10日後に到着したとみなされるルールです(EPC規則126条(2))。このため書類の到着時を基準とする期間は、書類が発送日+10日+指定された期間(例えば審査通知の場合は4月)で導き出すことが出来ます。

例えば2020年9月10日付の審査通知に4月の応答期限が設定されている場合、期日は:
 9月10日+10日+4月=2021年1月20日
となります。

2023年11月よりこの10日ルールは廃止されました。

出願維持年金 (renewal fee)

日本では維持年金の納付義務が発生するのは登録後で出願の係属中は納付義務がありません。しかし欧州特許庁では出願の係属中も維持年金の納付義務があります。欧州特許庁だけでなく他のEPC加盟国でも出願維持年金制度があります。

その他

「この用語も説明して欲しい」というご要望がありましたらお知らせ下さい。

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