EPOでは好ましい実施形態を除く「除くクレーム」が可能です

欧州特許庁は以下の例1のように出願書面に開示されていない特徴を除く「除くクレーム」(undisclosed disclaimer)の導入に非常に高いハードルを課しています(過去の記事「欧州で導入が許されるディスクレーマ3種」をご参照ください)。

例1
 補正前クレーム:金属粒子を含む混合物
 明細書:「本発明の1の形態では、金属粒子は鉄粒子、銀粒子または金粒子である」(「銅粒子」に関する記載は無い)
 ↓
 補正後クレーム:銅粒子を除く金属粒子を含む混合物。

このため欧州では「除くクレーム」は例外的にしか使えないと思われている方が多いです。

しかし欧州特許庁は以下の例2のように出願書面に開示されてる特徴を除く「除くクレーム」(disclosed disclaimer)の導入を許容しています。

例2
 補正前クレーム:金属粒子を含む混合物
 明細書:「本発明の1の実施形態では金属粒子は銅粒子である」
 ↓
 補正後クレーム:銅粒子を除く金属粒子を含む混合物。

ここで需要なのが除く対象が明細書に開示された好ましい実施形態であっても「除くクレーム」が許容されるということです。

実際に例えばT 2130/11では、以下のように明細書で好ましいとして開示された対象を除くことが認められました。

補正前クレーム:
「歯科用組成物を提供する方法であって、ペースト/ペースト型の二成分自己接着性歯科用組成物を提供することを含み、前記組成物は以下を含み…」

明細書:
「本発明の好ましい実施形態では組成物は置換チオ尿素を含む」

補正後クレーム:
「歯科用組成物を提供する方法であって、ペースト/ペースト型の二成分自己接着性歯科用組成物を提供することを含み、前記組成物は以下を含み…ただし、前記組成物は、置換チオ尿素…を含まないことを条件とする

このように欧州特許庁は出願書面に開示されていない特徴を除く「除くクレーム」(undisclosed disclaimer)にはかなり厳しいですが、出願書面に開示された特徴を除く「除くクレーム」(disclosed disclaimer)にはかなり寛容です。したがって欧州特許庁におけるOA対応案検討の際にはこの出願書面に開示された特徴を除く「除くクレーム」(disclosed disclaimer)も現実的な選択肢となり得ます。

 

 

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