日本特許法73条2項により日本では特許権が共有に係るときは、各共有者は原則他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができます。一方で各共有者は、他の共有者の同意を得なければ実施権の設定許諾ができません(日本特許法73条3項)。しかし共有者が自己の手足である第三者に実施させる行為(一機関としての実施)には他の共有者の同意を要しません。
ドイツでも日本と同様に特許権が共有に係るときは、各共有者は原則他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができます(ドイツ民法743条2項)。
一方で、ドイツでも各共有者は、他の共有者の同意を得なければ実施権の設定許諾ができません。実施権の設定許諾をするには過半数の同意が必要です(BGH, X ZR 142/18)。
またドイツでも共有者が第三者に一機関(Hilfspersonen)としてる実施させる場合は、他の共有者の同意を要しません(OLG Düsseldorf, I-2 U 5/11)。
参考条文:
BGB§743 Früchteanteil; Gebrauchsbefugnis
(1) Jedem Teilhaber gebührt ein seinem Anteil entsprechender Bruchteil der Früchte.
(2) Jeder Teilhaber ist zum Gebrauch des gemeinschaftlichen Gegenstands insoweit befugt, als nicht der Mitgebrauch der übrigen Teilhaber beeinträchtigt wird.
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