分割出願が原出願の記載範囲を超えたら【欧州】

日本では分割出願が原出願の記載範囲を超えてしまった(新規事項を追加した)場合は、出願日の遡及効が認められず、独立した別の出願として取り扱われます。したがって出願が他の特許要件を満たせば(実際は原出願が邪魔をして困難ですが)特許が付与されます。

一方、欧州では分割出願が原出願の記載範囲を超えてしまうと、このことを理由として出願が拒絶されます。つまり日本のように独立した別の出願として取り扱われることはありません(Guidelines C-IX, 1.4)。このため出願が他の特許要件を満たしていたとしても、当該新規事項追加の問題を治癒しなければ、拒絶されることになります(EPC97条(2))。

もともと欧州特許庁は新規事項追加の判断に関して日本特許庁よりもかなり厳しいので、欧州特許出願を分割する際には原出願の記載範囲に属するか否かを特に注意して検討する必要があります。

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