欧州特許実務

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UPCのCourt of Appealが包袋禁反言を認めるっぽい決定を下しました

以前の記事「UPCではクレーム解釈に包袋内容も参酌され得ます」ではUPCのミュンヘン地方部が下した決定に基づいて統一特許裁判所では侵害訴訟のクレーム解釈において包袋内容を参酌する可能性があることを説明しました。今回は統一特許裁判所の控訴裁判...
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EPOで従属クレームとみなされる独立クレーム

欧州特許庁では従属クレームは、「他の請求クレームのすべての特徴を含むクレーム(Any claim which includes all the features of any other claim)」と定義されています(ガイドライン F-...
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欧州特許はどの国で有効化されているか?

欧州特許が得られた後に権利をどのEPC加盟国で有効化すべきかは悩ましい問題です(「有効化ってなに?」という方は過去の記事「欧州特許の有効化手続とその後の維持年金納付手続」をご参照ください)。一般的な考えでは競合他社の製造開発拠点や、特許権が...
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EPOの異議では補請求を出し惜しみすべきではありません

欧州特許庁における異議手続きでは、補請求(auxiliary requests)の提出が特許を維持するために重要になります。一方で特許権者の中には補請求を提出することで主請求(main request)の審査が蔑ろになることを恐れたり、異議...
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UPCにおける均等論の要件

2024年11月22日、統一特許裁判所のハーグ地方部は、統一特許裁判所の判例上初の均等論の要件を特定した判決を下しました(ケース番号:UPC_CFI_239/2023)。ハーグ地方部が定めた均等論の要件は以下の通りです。a variatio...
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UPCはGold Standardを採用したか?

以前の記事「UPCはProblem Solution Approachを捨てたか?」ではUPCがこれまでの判決において欧州特許庁が採用するProblem Solution Approachを採用していないことを説明しました。一方で補正による...
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UPCはProblem Solution Approachを捨てたか?

UPC協定の発効から1年以上が経過し、UPCによる判例が次々と公開されはじめました。その中でも興味深い判例が進歩性の判断アプローチについて詳細に言及した2024年7月16日のUPCミュンヘン中央部による判決(ケース番号:UPC_1/2023...
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EPOで特許登録公報公開後に分割出願をする裏技

以前の記事「分割出願の時期的要件(欧州)」で説明しましたが、特許査定後であっても欧州特許出願が欧州特許庁に係属中であれば分割出願をすることができると説明しました。より具体的には特許査定が発行された後も特許登録公報の公開日の一日前までであれば...
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Closest Prior Artの特定では構成の共通性よりも課題の共通性が考慮されます

以前の記事「Problem Solution Approachの3つのステップ」では、Problem Solution Approachにおける最初のステップであるClosest Prior Artの特定では構成の共通性だけでなく課題、目的...
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EPC規則62a(1)条の通知に対して取りうる3つのオプション

EPC規則43(2)条に基づき欧州では原則1つのカテゴリー(物、方法、使用)に1つの独立クレームしか許されていません。欧州特許出願がこの1カテゴリー/1独立クレームの原則に違反していると欧州特許庁の調査部が判断した場合、調査部は調査報告発行...
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EPOでは出願を能動的に取り下げると調査費用が返還されることがあります

以前の記事「EESR後に出願を放置するだけで審査費用が全額返還されます」では欧州特許出願を放置すれば、審査費用が返還されることを紹介しました。一方で、放置ではなく欧州特許出願を能動的に取り下げた場合は、審査費用だけでなく調査費用(2024年...
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EPOでのクレーム料削減のためにクレーム数を減らすテクニック

欧州特許庁はクレーム数が16以上の場合、16クレームから1クレーム毎に275€のクレーム料を要求してきます(Art. 2(1), item 15, RFees)。このため例えばPCT出願のクレーム数が多い場合、欧州移行の際に移行時にクレーム...
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パラメータがクレームされている場合はその調整方法の開示が必要です

以前の記事「パラメータの測定方法の欠如が実施可能要件違反となる場合」では、パラメータの測定方法の欠如がEPC83条の実施可能要件と問題となり得ることを解説しました。しかしパラメータの測定方法の開示だけでは実施可能要件を満たすのに十分ではあり...
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ルーマニアをカバーする単一効力特許を得るために登録延期申請が可能です

ルーマニアがUPC協定に批准したことにより2024年9月1日以降に登録される欧州単一効力特許はこれまでの17カ国に加えてルーマニアにも効力が及ぶことになります。しかし例えば2024年8月1日に単一効力申請の期限が終了してしまう欧州特許につい...