欧州特許実務

欧州特許実務

EPOで課題が「単なる代替物の提供」であっても進歩性が認められる場合

欧州特許庁では進歩性の議論において客観的技術的課題が単なる代替物の提供と認定されてしまう場合があります(客観的技術的課題って何?という方は過去の記事「Problem Solution Approachの3つのステップ」をご参照ください)。客...
欧州特許実務

欧州の拡張国および認証国についてよくあるQ&A

欧州における拡張国(Extension state)および認証国(Validation state)についてよくある質問に対する回答をまとめてみました。Q1. Extension/validation systemとは何ですか?A. 欧州特...
欧州特許実務

EPOのガイドラインに基づく抗体の特定方法

欧州特許庁のガイドライン(Part G‑II, 6.1)は、抗体発明をクレームでどのように特定すべきかの例を開示しています。以下に欧州特許庁のガイドラインで例示された7つの抗体発明の特定方法を解説します。1) 構造による特定(CDR/可変領...
欧州特許実務

方法クレームで発明限定事項とならない用途限定

過去の記事「用途限定の解釈(欧州特許)」では、欧州では、方法クレームにおける用途限定は、方法におけるステップの1つとして解釈される、つまり発明限定事項として解釈されると説明しました。例えば「亜鉛メッキを溶解する方法」は、亜鉛メッキを溶解する...
欧州特許実務

欧州移行時にはクレームをマルチマルチに直すべきか?

日本では単従属クレーム同士を組合せる補正が新規事項の追加と判断されることはまずありませんが、補正による新規事項の追加に厳しい欧州特許庁ではこのような補正が新規事項の追加と判断されることが多々あります(過去の記事「欧州では単従属クレーム同士を...
欧州特許実務

欧州特許庁における情報提供についてよくあるQ&A

欧州特許庁の情報提供に関してよくある質問とその回答をまとめてみました。Q. 情報提供に庁費用はかかりますか?A.いいえ。欧州特許庁における情報提供の庁費用は無料です。Q. 匿名での情報提供は可能ですか?A.はい。欧州特許庁では完全匿名で情報...
欧州特許実務

UPCでは医薬・バイオテクノロジー関連の発明の進歩性が否定されやすいです

欧州特許庁における進歩性の評価はProblem Solution Approachと呼ばれる手法に基づいて厳密に判断されます(「Problem Solution Approachって何?」という方は過去の記事「Problem Solutio...
欧州特許実務

日本人が知らない、けれども知らないと致命傷を負うパリ優先における「最初の出願」

パリ条約における優先権の要件の1つに「最初の出願」があることをご存じの方は多いかと思います(同第 4 条 C(2)及び(4))。実際に日本の審査基準V部1章2.3.2でも「最初の出願」について以下のように明記されています。「パリ条約による優...
欧州特許実務

UPCはProblem Solution Approachとよりを戻したか?

以前の記事「UPCはProblem Solution Approachを捨てたか?」ではUPCは進歩性判断の際にドイツのアプローチを採用し、欧州特許庁のProblem Solution Approachを採用しない方向に向かっていると説明し...
欧州特許実務

欧州向け明細書では効果を垂直展開することが好ましいです

先日の記事「欧州向け明細書では効果を水平展開することが好ましいです」では、欧州向けの明細書では「効果の水平展開」つまり1つの特徴に対して2以上の異質な効果を明記しておくとが好ましいことを説明しました。今回は同質の効果を掘り下げること、つまり...
欧州特許実務

欧州向け明細書では効果を水平展開することが好ましいです

欧州特許庁の進歩性判断手法であるProblem Solution Approachではクレームされた特徴の効果が重視されます(過去の記事「Problem Solution Approachの3つのステップ」をご参照ください)。したがって欧州...
欧州特許実務

統一特許裁判所では機能的クレーム解釈が採用されます

ドイツの特許権侵害訴訟では機能的クレーム解釈(funktionsorientierte Auslegung)というクレームにおける用語を一般的な文言の意味を超えて求められる機能に基づいて広く解釈する手法が採用されています(例えば過去の記事「...
欧州特許実務

EPOの新ガイドラインではダブルパテントの規制が厳しくなりました

これまで欧州特許庁では親出願の従属クレームと同一の主題を子出願のクレーム1の主題とすることが認められていました。例えば欧州特許庁のCase Law Book(Case Law of the Boards of Appeal)のII, F. ...
欧州特許実務

欧州では発明に相乗効果があれば進歩性はほぼ確実に認められます

欧州特許庁における進歩性は先行技術に対する効果が重視されるProblem Solution Approachと呼ばれる手法に基づいて厳密に判断されます(Problem Solution Approachって何?という方は過去の記事「Prob...