<欧州>早期審査(PACE、PPH)以外の審査期間短縮手段

PCTルートで欧州特許庁に移行した場合、方式審査後、欧州補充調査報告前にEPC規則161条/162条の通知がなされ、補正をする機会が与えられます。

実は、このEPC規則161条/162条の通知を受ける権利というものは、任意で放棄することができます。これにより審査期間の短縮を図ることができます。

権利放棄のメリット:

欧州特許庁に移行後、方式審査と欧州補充調査報告との間の期間を短縮できます。

EPC規則161条/162条の通知がなされると、通知から6ヶ月以内に補正をする機会が与えられます。この6ヶ月という期間が実は厄介で、欧州補充調査は必ずこの6ヶ月の期間の経過を待って
開始されます。したがって仮に通知後1ヶ月後に補正を提出したとしても、移行時に早期審査(PACE、PPH)を申請していたとしても、欧州調査が開始さ
れるのはEPC規則161条/162条の通知の6ヶ月の期間の経過後になります(http://archive.epo.org/epo/pubs/oj011/05_11/05_3541.pdf)。

このためEPC規則161条/162条の通知を受ける権利を放棄することで、欧州補充調査報告を受けるまでの期間を少なくとも6ヶ月短縮することができます。

また、上述のようにEPC規則161条/162条の通知の6ヶ月の期間は早期審査を申請した場合であっても順守されるので、早期審査を申請してもEPC規則161条/162条の通知を受ける権利を放棄しなければ、実質的に欧州補充調査を促進させる効果はありません。

権利放棄のデメリット:

欧州移行後、欧州補充調査開始前の補正の機会が失われます。

欧州では移行時に補正クレームの提出が認められるので、欧州補充調査開始前に補正をしたい場合は、移行時に補正クレームを提出するなど、前倒しの対応が必要になります。

権利放棄の手続き:

欧州移行時に提出するForm for entry into the European phase (EPO Form 1200)のボックス6.4にチェックを入れるだけです。庁費用はかかりません。

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