日本特許庁が提供するドイツ特許法第9条3の和訳によると、ドイツでは特許権者は、第三者が
「特許の対象である方法によって直接に得られた製品を提供し、市販し若しくは使用し、又は当該目的のために輸入し若しくは所持すること」
を禁止することができます。
ここで「方法によって直接に得られた製品」とは、何を意味するのかといった疑問が生じます。
日本の知財実務家であれば「方法によって直接に得られた製品」には物を生産する方法によって生産された物が確実に含まれることは直感的に理解できますが、「方法によって直接に得られた製品」という記載からは例えば検査方法などの物を生産しない方法を経た製品も含まれるという解釈もあり得るからです。
しかし後者(例えば検査方法によって検査された製品)は、「方法によって直接に得られた製品」には含まれせん。すなわち「方法によって直接に得られた製品」とは物を生産する方法によって生産された物を意味します。
ちなみにドイツ特許法第9条の原文では、「直接に得られた(unmittelbar erhalten)」ではなく「直接製造された(unmittelbar hergestellt)」といった表現が用いられていることから、ドイツ法第9条3の和訳としては
「特許の対象である方法によって直接製造された製品を提供し、市販し若しくは使用し、又は当該目的のために輸入し若しくは所持すること」
がより適切と言えます。
参考文献:Schulte
参考条文:ドイツ特許法第9条 原文
Das Patent hat die Wirkung, dass allein der Patentinhaber befugt ist, die patentierte Erfindung im Rahmen des geltenden Rechts zu benutzen. Jedem Dritten ist es verboten, ohne seine Zustimmung
1. ein Erzeugnis, das Gegenstand des Patents ist, herzustellen, anzubieten, in Verkehr zu bringen oder zu gebrauchen oder zu den genannten Zwecken entweder einzuführen oder zu besitzen;
2. ein Verfahren, das Gegenstand des Patents ist, anzuwenden oder, wenn der Dritte weiß oder es auf Grund der Umstände offensichtlich ist, daß die Anwendung des Verfahrens ohne Zustimmung des Patentinhabers verboten ist, zur Anwendung im Geltungsbereich dieses Gesetzes anzubieten;
3. das durch ein Verfahren, das Gegenstand des Patents ist, unmittelbar hergestellte Erzeugnis anzubieten, in Verkehr zu bringen oder zu gebrauchen oder zu den genannten Zwecken entweder einzuführen oder zu besitzen.
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