製造方法発明と方法発明の違い(ドイツ)

以前の記事でも説明しましたが、ドイツでも純粋な方法の特許と異なり製造方法の特許の権利範囲はその方法によって直接得られた製品まで及びます(「ドイツ特許法第9条3の解釈」参照)。

このため何が製造方法の発明で何が方法の発明なのかは権利範囲を確定する上で大変重要になります。
以下にドイツの判例に基づく製造方法発明と方法発明の違いについて説明します。

1)製造方法発明
ドイツでは判例上、出発物を変化させるために出発物に影響を及ぼす方法、または出発物ことは異なる製品を生産する方法が製造方法とみなされます。ここで「出発物」には固体、液体、気体の有体物だけでなくエネルギー、波、データ等の無体物も含まれます(BGH X ZR 33/10)。また「出発物に影響を及ぼす」手段には、機械的、物理的または化学的手段(例えば)が含まれます。さらに「変化」には外形の変化だけでなく例えば外面に現れない物質の性質の変化も含まれます。

2)方法発明
一方で純粋な方法の発明は、出発物の変化または出発物とは異なる新たな製品の生産を伴わなずに出発物に作用して特定の目的を達成するための方法とされています(BGH X ZB 21/94)。具体的には輸送方法、整理方法、洗浄方法、測定方法、フリーズドライ方法、分析方法(BPatGE 2,1,2)、データバンクの作成方法(BPatG Mitt 06, 30)などが純粋な方法発明に該当します。

参考資料:Schulte

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