ドイツの裁判所によるクレーム解釈の原則

・保護の範囲はクレームによって決定される。明細書及び図面はクレームの解釈に際し考慮される(ドイツ特許法第14条)。

・保護範囲は、明細書または図面のみから導き出すことはできない。

・包袋禁反言は原則ない(X ZR 43/01)。

・クレームの解釈に際し考慮されるのは特許公報の明細書および図面であって、出願時の明細書および図面ではない(X ZB 7/81)。

・従属クレームおよび明細書の実施形態は、独立クレームにおいて使用される用語がどのように解釈されるべきかについての示唆を提供する。 しかしながら、独立クレームの保護範囲は、従属クレームまたは明細書の実施形態に限定されるべきではない(X ZR 31/11)。

・明細書で開示された発明の実施形態は原則保護範囲に属する(X ZR 35/11)。

・明細書で用いられる用語の定義と一般的な定義との間で齟齬がある場合は明細書で用いられる用語の定義が優先する(X ZR 85/96)。

・クレームは客観的な基準に基づいて解釈される。発明者の主観的な意図は重要でない(Xa ZR 36/08)。このため発明者による宣言書等もクレーム解釈に影響しない。

・クレームにおける参照符号は保護範囲を限定しない(X ZR 17/02)。

・ある特徴がプレアンブルにあるか特徴部分(characterizing part)にあるかは解釈に影響を与えない(Xa ZR 149/07)。

特許侵害訴訟は、クレームが不明確であり内容が解明できないという理由で却下することはできない(X ZR 95/05)。つまりクレームは常に解釈されなければならない。

・侵害訴訟でのクレーム解釈の原則は無効訴訟でも適用される(Xa ZR 140/05)。

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