ドイツにおけるライセンスオブライト(実施許諾用意制度)

ライセンスオブライト(実施許諾用意制度)とは、特許権者が当該特許について第三者への実施許諾を拒否しないことを宣言することによって、特許維持年金を半額にすることができる制度です(ドイツ特許法第23条(1))。制度の概要は以下の通りです。

時期的要件

・出願後すぐ、つまり特許登録前からから利用することができます(ドイツ特許法第23条(7))。

手続き的要件

・実施許諾の用意がある旨の宣言書面を特許庁に提出します(ドイツ特許法第23条(1))。

・ただし専用実施権が登録されている場合は、当該制度を利用することはできません(ドイツ特許法第23条(2))。

宣言の対象

・出願または特許にかかる全ての発明が実施許諾用意宣言の対象となります。このためまた宣言には制限および条件等を設けることは認められていません(BPatGE 18, 7)。

・また実施許諾用意宣言後に発生した分割出願の内容も実施許諾用意宣言の対象となります(BPatGE 13, 159)。

庁費用

・無料

効果

・宣言の受領後に納付期日が到来する特許維持年金が半額に減額されます(ドイツ特許法第23条(1))。

・第三者から実施許諾の申出があった場合は、実施許諾の拒否が認められなります(ドイツ特許法第23条(3))。また、実施希望者との間で実施料の額が争点となった場合、申請によってドイツ特許庁によって実施料の額が決定されてしまうので(ドイツ特許法第23条(4))、法外な実施料を請求することで、特定の第三者の実施を実質禁止することも出来ません。

宣言の取下げ

・実施希望者の通知が無い限り、当該宣言は書面によっていつでも取り下げることができます(ドイツ特許法第23条(7))。

・ただし当該宣言を取り下げた場合は、減額された分の年金を遡って納付しなければなりません(ドイツ特許法第23条(7))。

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