EPOにおいて審査の迅速化を図るための手段にはPACEとPPHがあります。EPOで審査を加速させたい場合どちらが効果的でしょうか。
検討してみましょう。
・手間
PACEは申請書一枚の記入に対して、PPHでは申請書の他に許可クレームおよび拒絶理由通知の翻訳等様々な書面が求められます。
このため手間の観点からは、PPHよりもPACEのほうが楽です。
・費用
どちらも庁費用は無料ですが、PPHでは準備する書類が多い分代理人費用が多くなる傾向にあります。
費用の面でもPACEが有利かと思われます。
・効果
具体的な統計はとってませんが、経験的にPACEとPPHとの間には審査期間に大きな差はないと思います。EPOではPPHだからといって一発特許査定となることはほとんどなく、なんらかの理由で拒絶理由通知をうってくることがほとんどです。またPPHであっても新規性、進歩性等の実体的理由で拒絶される場合もあります。
さらに、EPOにおける補正の新規事項の判断基準は日本のそれよりも高いので、日本で補正によって許可されたクレームに基づいてEPOにPPHを申請した場合、EPOで新規事項の追加と判断される場合があります。
・結論
このようにPACEは手間、費用の面でPPHよりも優れており、PPHと同様の効果が得られるということから、お客様にはPPHよりもPACEをお勧めしています。
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