欧州特許出願用の図面データ作成の際に留意すべきこと5点

欧州特許庁ではグレースケールの図面が認められたり、カラー図面や写真が禁止されていなかったり、「FIG.2A」のように図番にアルファベットを付すことが許されていたりと図面作成の自由度が高いです。

しかし欧州特許庁は図面の特定の事項についてはかなり厳しかったり、また図面データの形式が欧州実務に則していない場合、余計な代理人費用が発生したりします。

以下、欧州特許出願用の図面データ作成の際に留意すべきことを解説します。

1.全図面を1つのPDFデータ

欧州では図面はPDF形式でしか提出できません。また通常全図面を1のPDFデータにまとめます。

なお1ページに複数の図面を開示することが許されています(Decision of the Administrative Council of 13 October 2022第1条(2h))。

2.ページ数を明記

規則で明文化されているわけでは無いのですが、図面には通常ページ番号を1/n形式で付します。

3. 余白

Decision of the Administrative Council of 13 October 2022 第1条(1)によれば図面の最低余白は上2.5㎝、左2.5㎝、右1.5㎝そして下1cmです。図面が当該規定に違反していると欧州特許庁から訂正指令が発行されます。

4.図面で用いられる文字、数字の高さ

Decision of the Administrative Council of 13 October 2022 第1条(2g)によれば図面で用いられる文字の高さは0.32㎝以上でなければなりません。当該規定により図面で用いられる文字が小さすぎると、欧州特許庁から訂正指令が発行されます。

5.明瞭性

Decision of the Administrative Council of 13 October 2022 第1条(2c)によれば図面は、電子的又は写真による複製で、3分の2に縮小した場合、すべての細部が支障なく識別できるようなものでなければなりません。当該規定により各構成要素の境界が不明瞭な図面を提出すると、欧州特許庁から訂正指令が発行されます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました