欧州特許庁における異議では口頭審理の前に異議部による予備的見解が発行されます。
この予備的見解では異議部はかなり具体的に特許性に関して言及します。つまり主請求そして補請求が維持可能であるか否かについてまで異議部は非束縛的に見解を示します。
しかしこの予備的見解は最終決定が下されるその後の口頭審理で覆ることが多々あります。
口頭審理が書面審査の確認程度である日本と異なり、欧州特許庁における口頭審理では実質的な議論がなされます。そしてその実質的な議論で予備的見解が覆ることは稀ではありません。
私がこれまで担当したケースでは1/3ぐらいの割合で予備的見解とは異なる最終決定に至りました。
このため予備的見解が自らにとってネガティブであってもあきらめてはいけません。また予備的見解が自らにとってポジティブであったとしても油断してはいけません。
一方で異議部はそれまでの書面手続きで提出された情報に基づいてそれなりに慎重に予備的見解を作成します。このため予備的見解発行前に書面手続きで提出された情報を口頭審理でただ繰り返し提示しただけでは予備的見解通りの最終決定が下されます。
つまり自らにとってネガティブな予備的見解を覆すには、予備的見解発行前の書面手続きとは別のアプローチが通常必要になります。
「自らにとってネガティブな予備的見解が発行されてしまったけれどもなんとか覆したい。でも今の欧州代理人は予備的見解を覆すためのロジックの通ったストーリーを構築できてないような気がする」という方や、「自らにとってポジティブな予備的見解が発行されて一安心しているけど、覆されないためにはどんなシナリオに気を付ければよいか知りたい」という方は是非ともHasegawa弁理士事務所にご相談ください。
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