「Result to be achieved」は補正無しで解消可能です

欧州特許庁における審査過程ではよく「Result to be achieved(達成しようとする結果)」という問題が発生します。例えばクレームが機能的特徴を含む場合、欧州特許庁の審査官は頻繁に当該機能的特徴は「Result to be achieved」であるので不明確と指摘してきます。

このような指摘がされた場合どのように対処したらよいのか分からないというお悩みをよく聞きます。しかしこの指摘はほとんどの場合、補正無しで解消可能です。

欧州特許庁のガイドラインF-IV, 4.10によるとクレームが「Result to be achieved」で拒絶されうるのはとりわけ「if they only amount to claiming the underlying technical problem」の場合です。つまりクレームが発明の課題のみを特定する場合です。

例えば発明の課題が「速い乗用車を提供すること」でクレームの記載が「速い乗用車」のみの場合はクレームが「Result to be achieved」であるとして拒絶されます。

しかし「速い乗用車」のような願望のみからなるクレームは極めて稀で、ほとんどの場合、クレームの機能的特徴は発明の課題をそのまま表現したものではありません。また仮にクレームのある該機能的特徴が発明の課題をそのまま表現したものであったとしても、クレームは通常は当該機能的特徴以外にも構造的特徴を含みます。

したがって「クレームの機能的特徴は発明の課題ではない」そして「クレームは当該特徴以外の構造的特徴を含む」と反論すれば、多くの場合でケースで「Result to be achieved」の指摘を解消できます。また当該機能的特徴をクレーム範囲を不当に制限することなく他の方法でより正確に定義できないという主張も「Result to be achieved」の解消に有効です(T 68/85)。

このため欧州特許庁から「Result to be achieved」を指摘された場合は焦って補正をせず、まずは補正無しで解消を試みることをお勧めします。

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