I.背景:
私が勤務先の事務所から与えられているタスクの一つとして日本における新規顧客開拓があります。この新規顧客開拓は事務所にとっては確かに大切なことなのですが、既存のお客様にとってはなんら価値を生み出していないにも関わらずかなり時間と手間がかかります。このため私自身が既存のお客様のケアにより多くの時間を費やせるよう、新規顧客開拓活動に費やす時間を圧縮できないかと思い、自身の新規顧客開拓活動を分析してみました。
II. 分析方法
どのような活動が新規顧客開拓の成果に寄与いるのかを知るため、新しくご依頼を頂戴するに至ったお客様に対してご依頼を頂戴する前にどのような活動があったかを調べました。具体的には以下の4つの項目の有無を調べました。
(1)事前の無料個別相談
ご依頼を頂戴する以前にメール又は電話での無料個別相談サービスを提供したか否かを調べました。
(2)事前の会食
ご依頼を頂戴する以前に個別で会食または懇親会をご一緒させて頂いたか調べました。
(3)事前の訪問回数
ご依頼を頂戴する以前に何度個別訪問させて頂いたかを調べました。
(4)事前のセミナー参加
ご依頼を頂戴する以前に弊所主催のセミナーまたは私が講師を勤める外部機関によるセミナーにご参加頂いたか否かを調べました。
III.結果
(1)事前の無料個別相談
以下のグラフに示すように事前の無料個別相談があったお客様の数は顕著に少ないことが分かりました。また無料個別相談のみがあり他の訪問等の活動が無かったお客様の数はゼロでした。このことから無料個別相談は成果への寄与度が極めて低いと思われます。
(2)事前の会食
以下のグラフに示すように事前の会食があったお客様の数は顕著に少ないことが分かりました。また会食のみがあり他の訪問等の活動が無かったお客様の数はゼロでした。このことから会食は成果への寄与度が極めて低いと思われます。
(3)事前の訪問回数
事前の訪問回数は0回または1回がほとんどで、事前に3回以上訪問したお客様はゼロでした。これは2回以上の訪問は成果への寄与度が低いことを示唆します。
(4)事前のセミナー参加
事前のセミナー参加があったお客様の数は今回調査した項目の中で最も多いという結果となりました。これは私の活動の中で最も成果に寄与しているのはセミナー活動であることを示唆します。
IV.考察
新規顧客開拓のような営業活動は属人性が強いので一概にとは言えませんが、会食が成果への寄与度が少なく事前の訪問回数が0回~1回と少なかったという結果は、少なくとも私の場合「まずは足繁く通って自分を知ってもらう」という教科書通りの営業活動はあまり成果に繋がらないことを示唆します。
また事前の無料個別相談は成果に繋がらないことが示唆されるので、今後当該サービスを限定しても成果には影響を及ぼさないと思われます。
私の活動の中で最も成果に寄与していると思われるのはセミナー活動であったので、今後は当該活動に集中し、より質の高いセミナーを提供することで受講者の方々の満足度を上げることに注力したいと思います。そして他の活動を省くことによって得られた時間を既存のお客様のケアのために費やしたいと思います。
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