[速報]ドイツのUPC協定批准について新たな憲法異議が提起されました

ドイツの法律系メディアJUVEはドイツ連邦憲法裁判所が2020年12月18日にUPC協定を批准するための法律(承認法)に対して2件の新たな憲法異議(ケースID:2 BvR 2216/20および2 BvR 2217/20)を受理したことを明らかにしました。憲法異議の申立人および理由は現在のところ不明です。

UPC協定承認法は2020年12月18日にドイツ連邦参議院(Bundesrat)によって可決され、そして発効のためにドイツ連邦大統領による法令の認証(署名)待ち状態でした。

前回の憲法異議と同様に(過去の記事「ドイツ連邦憲法裁判所が欧州単一特許制度に待ったをかけました」をご参照ください)今回もドイツ連邦憲法裁判所がドイツ連邦大統領に認証プロセスの停止を求めるか否かについてはまだ明らかになっていません。

これまでのおよび今後予想されるドイツのUPC協定の批准プロセスをまとめると以下のようになります。

ドイツ連邦議会:UPC協定承認法案を可決

ドイツ連邦参議院:UPC協定承認法案を可決

憲法異議提起

ドイツ連邦憲法裁判所:ドイツ連邦大統領に法律の認証プロセスの停止を求める

ドイツ連邦憲法裁判所:ドイツ連邦議会(Bundestag)におけるUPC協定承認法案が2/3の多数で可決されなかったので手続面で違憲である旨の判決を下す(過去の記事「ドイツ連邦憲法裁判所がドイツがUPC協定を批准するための法律を無効としました」をご参照ください)

ドイツ連邦議会:UPC協定承認法案を2/3の多数で可決

ドイツ連邦参議院:UPC協定承認法案を可決

憲法異議×2提起今ココ

(予想)ドイツ連邦憲法裁判所:ドイツ連邦大統領に法律の認証プロセスの停止を求める

(予想)ドイツ連邦憲法裁判所:EU法の優越性を明示したUPC協定(UPC協定20条)は実体面で違憲である旨の判決を下す(過去の記事「UPC協定 その後のドイツでの出来事のまとめ」をご参照ください)。

(予想)ドイツUPC協定参加を断念

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