最も影響を受けた本

先日母校の学生達のキャリア教育向け講演で自分が影響を受けた書物を紹介する機会がありました。そこで、印象に残っていた古典、小説やビジネス書を色々と思い出していたのですが、最終的に一番影響を受けた本として以下の本を紹介するに至りました。

そう、皆さんご存じの「天-天和通りの快男児」の最終巻です。著名漫画家の福本伸行先生によるコミックです。

この本との出会いは周りの友人たちが就職活動に勤しむ中、私はダラダラと弁理士試験の受験勉強をしていた大学院2年生ときでした。当時私は2回連続で弁理士試験に落ち、「周りはちゃんとした就職活動をしている中自分は受かる可能性も低い試験にダラダラと時間を費やしてて良いのだろうか?このまま5年も10年も合格できないのではないだろうか?」と悶々とした悩みと焦燥感に苛まれていました。

そんなときいつも立ち読みのために通う古本屋でたまたま手に取った本がこの天の最終巻でした。

ストーリーの詳細は割愛しますが、私に当時もっともインパクトを与えたのが、悩める子羊ひろゆきに超絶凄腕天才ギャンブラー赤木が「人生の実」を説くシーンです。

当時、ひろゆきと同様に悩める子羊であった自分にとって赤木がひろゆきに語り掛けた言葉はまるで自分に向けられたもののように感じ、完全にひろゆきに感情移入してしまいました。終始優しさで溢れ、そして時に力強い赤木の言葉に衝撃を受け、感極まってその古本屋でむせび泣いたことを記憶しています。

恐らく当時の悩みと、感受性の豊かさと、世間知らずさとが混じり合った上でのインパクトだったと思います。たたが漫画に影響を受けすぎと言われればそれまでですが、未だこれを上回る衝撃を与えた書物には出会えていませんし、今後も出会うことは無いだろうと思います。そして天の最終巻に出会ったその年に弁理士試験に合格ができたという点でも非常に思い入れが強い本になっています。

 「不完全でもやはり動く事が道を開くこと」
 「さぁもう漕ぎ出そう。いわゆるまともから放たれた人生に。」
 「ただやる事、その熱、行為そのものが生きるってこと!」
 「いいじゃないか、三流で。熱い三流なら上等よ」
 「だから..恐れるなっ..!繰り返す!失敗を恐れるなっ…!」

出会いから10年以上たった今でも赤木の言葉の数々は色褪せることなく自分の行動指標になっています。

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