各EPC加盟国の仮保護(Provisional Protection)の内容

日本特許法65条の規定により日本では出願が公開された後は一定要件の下、出願人に補償金請求権が発生します。この日本特許法65条に対応する欧州の規定が仮保護(Provisional Protection)を定めるEPC67条です。

EPC67条(1)は
欧州特許出願は,その公開の日から,欧州特許出願で指定されている締約国において, 64 条により与えられる保護と同一の保護を出願人に仮に与える
ことを定めています。

このEPC67条(1)の表現からも明らかなように仮保護の内容はEPC締約国に委ねられるため、日本のように補償金請求しか認められない国もあれば、差止が仮保護として認められる国もあります。

以下に仮保護の内容別にEPC締約国を分類してみました。

補償金請求が認められる国

アルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、キプロス、チェコ、デンマーク、フィンランド、ドイツ、アイスランド、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、スロベニア、スペイン、スウェーデン

損害賠償請求が認められる国

クロアチア、エストニア、フィンランド、フランス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、モナコ、北マケドニア、ポーランド、ルーマニア、サンマリノ、セルビア、スイス、トルコ、イギリス

差止請求が認められる国

エストニア、ハンガリー、サンマリノ

特許登録後にしかProvisional Protectionを行使できない国

さらに以下の国では特許登録後のしかProvisional Protectionを行使できません。逆に言うと以下の国以外では特許登録前にProvisional Protectionを行使することができます。

アイルランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スイス/リヒテンシュタイン、イギリス

ソース:
https://www.epo.org/law-practice/legal-texts/html/natlaw/en/a/index.htm

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