ドイツの特許事務所で働く日本人に求められる4つの資質

先日読んだ「知財部での仕事に必要な資質って?」という非常によく書けた記事にインスパイアされ、私なりにドイツの特許事務所で必要な資質について考えてみました。以下、私の独断と偏見によって選出されたドイツの特許事務所で働く日本人に求められる4つの資質について説明します。

資質その1:一定レベル以上の社交性
日本の特許事務所では、実務担当者が実質的に誰ともコンタクトを取らなくても実務担当者一人だけで仕事が完結してしまう場合が多々あります。このため社交性を有さずとも実務担当者として問題がない場合が多いです。しかしドイツではそうはいきません。日本人がドイツの特許事務所で働く場合において重要な任務の一つが、日本顧客への営業および接待であるからです。このため最低限お客様を不快にさせないレベルの社交性、できれば短い時間でお客様と打ち解け、お客様を心地よくさせることができるレベルの社交性が求められます。

資質その2:自ら仕事を生み出せること
まだドイツの特許事務所で働く日本人はそれほど多くないため、多くの特許事務所にとって日本人を雇うといことは前例がない場合が多いです。このため事務所側が日本人を雇ってみたはいいもののどんな仕事を任せればよいかが分かっていないことがあります。こんなときは単に仕事が与えられるのを待っているだけではなく、自発的に新プロジェクトや新たな仕事を提案・実行し、積極的に事務所に貢献することが好ましいです。さもなくば事務所に貢献できない人材と判断され、長期的に事務所で働き難くなる恐れがあります。

資質その3:没頭できる趣味等があること
ドイツの労働環境では、日本と比較してかなりの自由時間が確保されます。多大な自由時間は一方で余裕のある生活に寄与しますが、他方で退屈感や孤独感を増徴させます。日本人にとって必然的に家族や親しい知人から離れたドイツでは、この退屈感や孤独感が特に顕著になります。これは精神衛生によいものではありません。したがって、ドイツにおいて上質な生活を営むためにも、自由時間に没頭できる趣味等を有していることが好ましいです。

資質その4:心身共に健康であること
母国を離れて異国で生活するということは思いのほかストレスがたまります。このストレスにより心身のバランスを崩してしまうおそれがあります。また日本人にとって心身の不調を適切にドイツの医者に伝え、理解してもらうことは容易ではありません。このため心身の不調を抱えてしまっても、適切な医療にアクセスできない恐れも高いです。したがって、高いストレス耐性や、風邪を引き難い身体は、ドイツで生活する上で、代えがたい大きな武器であるといえます。

まとめ
以上、4つの資質について説明しましたが、結局のところ最後の資質である「心身の健康」が一番重要であると思います。「そんなのドイツに限らずどこでも同じだろ」と言われてしまえば返す言葉もありませんが、日本人として異国であるドイツで生活していると心身の健康の重要さを感じる場面が多いです。実際にこちらの特許事務所で活躍されている日本人には元気でパワフルな方々が多いです。

何かの参考になれば幸いです。

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