ドイツに移住する際に考慮すべき子供の教育のこと

ドイツ企業に就職してご家族でドイツへ移住することを検討されている場合、考慮しなければならないのが子供の教育ことです。

ドイツの教育制度は、例えば小学生から留年制度があったり、小学校5年生で子供の学力に応じて大学進学コースまたは職人コースなどの将来の進路を決められてしまうなどかなり子供にとってシビアだからです(ドイツの教育制度について詳しく知りたい方はWikipediaの「ドイツの教育」をご参照下さい)。ドイツに来たばかりでドイツ語が出来ないからといって容赦などしてもらえません。

したがってドイツ語にハンディキャップがある子供にとってはドイツの教育制度はかなりハードです。

もちろん自分の子供は学力や成績がそれほど求められない職人コースであっても大丈夫という親御さんにとってはドイツの教育制度がそれほど移住の障壁になることはありませんが、日本人の場合はなるべく将来の選択肢が多い大学進学コースに子供を進めたい希望する親御さんが多いと思います。

そこでドイツ移住時の子供の年齢別に子供を大学進学コースに進ませることを前提としたときのドイツ語のハンディキャップが子供に与える負担を説明します。

0~3歳 負担=ゼロ

0~3歳児にはそもそも日本語すら定着していません。この時期にドイツに移住した場合は子供にとっては全くストレス無しにドイツ語を習得できることができます。将来、ドイツ語がハンディキャップになることはまずありません。

4~7歳 負担=小

4~6歳児であればそれなりに日本語で意思疎通ができます。この時期に移住すると子供にとっては言語で意思疎通できる能力があるにもかかわらず意思疎通が不可能な環境に入れられるわけですから多かれ少なかれストレスとなります。しかしこの時期であればまだドイツ人の子供の言語能力も高くないので、早い子であれば数ヵ月、遅い子であっても1~2年ほどでドイツ語によるハンディキャップを克服することができます。

またこの年齢は幼稚園から小学校の低学年に対応する時期です。小学校低学年ではまだ成績がつかないため語学力が原因で留年となることもあまりありません。

8~11歳 負担=大

小学校3~6年生に対応する年齢です。この時期になるとドイツ語授業も高度になり、英語の授業も開始されます。さらに小学校3年生から成績がつきはじめ、小学校4年生の成績で進学コースに進めるか否かが決まります。

また進学コースに進む子供は5年生から大学入学資格を獲得できるギムナジウム(Gymnasium)という学校に通い始めます。ギムナジウムによっては小学校5年生から英語以外にもフランス語やラテン語などの第二外国語の授業も開始され、成績が悪い子は容赦なく留年させられます。

したがってこの時期にドイツ語ゼロの状態で学校に放り込まれると子供は大きなハンディキャップを抱えることになります。語学の才能またはがんばれる能力のいずれかを有する子供以外は留年なしで進学コースにとどまることは難しいです。

12~15歳 負担=絶大

日本の中1~中3に対応する年齢です。ギムナジウムでは勉強も難しくなりドイツ人の子であっても落第、留年が珍しくない時期になります。学校の定期テストも小論文形式になり、さらに筆記試験だけではなく授業中の発言も成績に考慮されます。

この時期にドイツに移住すると、語学のハンディキャップが子供に与える負担は絶大です。語学の才能およびがんばれる能力の両方を有している子供であってもギムナジウムに留まるには1年から2年の留年を覚悟したほうがよいでしょう。

16~18歳 負担≧阿鼻叫喚

高校1~高3に対応する年齢です。ギムナジウムでは卒業試験(Abitur)に向けた準備が始まり、勉強もかなり高度になります。またこの時期であればギムナジウムの生徒達は英語だけでなく第二外国語も日常会話には問題ない程度に使いこなせるようになっています。

つまりこの時期での移住に伴う語学のハンディキャップはドイツ語だけに留まりません。

お子様がこの年齢の場合はそもそもご家族でのドイツ移住は考え直したほうがよいです。

まとめ

このようにドイツに移住する時期の子供の年齢が上がれば上がるほど語学のハンディキャップによって子供に与える負担は指数関数的に増大します。

私自身は11歳に父親の仕事の関係でドイツに移住し、最初は日本人学校に通ってから14歳からギムナジウムに通うという選択をしましたが、ギムナジウムでの最初の2年は留年すれすれでかなり精神的に辛かったです。あれから20年以上たっても未だにギムナジウムの留年がかかった試験の悪夢にうなされます。

ギムナジウムでの経験は私の人生にとって大きな財産となりましたが、ギムナジウムでの最初の2年は間違いなくこれまでの人生で最も辛かった時期の一つです。したがって例えば12歳以上のドイツ語ゼロの子供に同じ進路をお勧めできるかと聞かれると疑問です。

ドイツでの就職および定住をご検討されている方の参考になれば幸いです。

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