第三者がドイツの裁判記録を閲覧するには

欧州一の特許訴訟大国であるドイツの裁判所の記録は、第三者にとっても非常に興味深い情報になります。

実際に日本からどのようにすれば第三者が裁判記録を閲覧できるかというお問い合わせをよく受けます。

しかしドイツでは、第三者が裁判記録を閲覧するには、ドイツ民訴(ZPO)299条第2項の規定により「当事者の同意」または「法的関心」が求められます。

実際に「当事者の同意」が得られることは稀ですし、「法的関心」のハードルも近年高まったようなので、残念ながら第三者がドイツの裁判所の裁判記録を閲覧するのは現実的に困難のようです。

一方、ドイツ連邦特許裁判所の無効訴訟の裁判記録は、法的関心のない第三者にも原則申請により閲覧可能にされます(ドイツ特許法99条(3))。また侵害訴訟と無効訴訟とが並行して係属中の際、無効訴訟において侵害訴訟の裁判記録が証拠として提出されることが多々あります。このためドイツ連邦特許裁判所の無効訴訟の裁判記録の閲覧請求をすることで間接的に並行する侵害訴訟の裁判記録を入手できる場合があります(X ZR 56/05)。

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