EPC115条に基づき欧州特許庁でも特定の欧州特許出願の権利化を阻止をするために第三者は情報提供をすることができます。
さらに欧州特許庁は情報提供のために専用のプラットフォームを提供しています。つまり欧州特許庁における情報提供は欧州代理人に頼らず当該プラットフォームを利用して自ら提出することができます。以下に当該プラットフォームを利用をした情報提供のやり方について説明します。
ステップ1:EPOのプラットフォームにアクセス
まず欧州特許庁が提供する情報提供用のプラットフォーム(http://tpo.epo.org/tpo/app/form/)にアクセスします。すると以下のようなページにアクセスできます。
ステップ2:必要事項を記入
次に必要事項を記入します。具体的には情報提供をしたい欧州特許出願の「Application number」または「Publication number 」、情報提供者の名前「Name」、情報提供者の住所「Address」および「Please type in the text form」の欄です。情報提供者の「Telefone」そして「e-mail」は必須ではありません。また匿名で情報提供をしたい場合は以下の図の矢印で示したボックスにチェックを入れます。匿名のチェックボックスにチェックを入れた場合、情報提供者に関する一切の情報の記入が不要になります。必要事項を記入したらページの最後にある「Next」ボタンをクリックします。
ステップ3:文献をアップロード
次に文献をアップロードします。より具体的には記入ボックスに必要事項を記入して文献をアップロードします。1回の情報提供では特許文献、非特許文献それぞれ5件までアップロードが可能です。また先行技術文献だけでなく新規性、進歩性に対する攻撃をまとめた意見書をアップロードすることも可能です。必要な文献のアップロードが完了したらページの最後にある「Next」ボタンをクリックします。
ステップ4:新規性、進歩性、明確性に対する攻撃を記入
次に以下のページのフィールドに新規性、進歩性、明確性に対する具体的な攻撃を述べます。しかしながら当該フィールドを用いた攻撃では図やグラフなどを用いることが出来ず、柔軟な主張ができません。このため新規性、進歩性、明確性に対する具体的な攻撃を解説した意見書のPDFファイルを別途準備し、上述の「ステップ3:文献をアップロード」で引用文献とアップロードしておき、そして当該ページのフィールドでは単に「See attachment XXXX.pdf」とだけ記載する方が個人的には好きです。
ステップ5:プレビュー
全ての文献のアップロード、全ての攻撃の記入が完了したらプレビューボタンを押します。
ステップ6:提出
プレビューの内容に問題が無ければ提出ボタンをクリックします。これにより情報提供が完了します。
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