欧州特許庁では従属クレームは、「他の請求クレームのすべての特徴を含むクレーム(Any claim which includes all the features of any other claim)」と定義されています(ガイドライン F-IV, 3.4)。
このため形式的には独立クレームであっても従属クレームとみなされることがあります。
例えば以下のように他のクレームを引用するクレームです。
「クレーム1の回路を含む、通信装置」
上記クレームは形式的には独立クレームに見えるもののクレームされた通信装置にクレーム1の回路が内包されています。このため「他の請求クレームのすべての特徴を含む」という従属クレームの要件を満たし、欧州では従属クレームとみなされます。したがってこの場合、1カテゴリー・1独立クレームの原則の適用はありません(「1カテゴリー・1独立クレームの原則って何?」という方は過去の記事「欧州向けの出願では無理にでも1カテゴリー1独立クレームにしたほうが良いです」をご参照ください)。
一方で、他のクレームを引用していても他のクレームの対象を内包していないクレームは従属クレームとみなされません。
例えば以下のクレームです。
「クレーム1の回路を検査するための検査装置」
上記クレームはクレーム1の回路を引用しているものの、当該回路はクレームされた検査装置の部材ではありません。このため「他の請求クレームのすべての特徴を含む」という要件を満たさず、独立クレームとして取り扱われます。したがってこの場合、1カテゴリー・1独立クレームの原則が適用され得ます。