なぜスイス特許庁から維持年金に関するレターが届くのか?

欧州特許が成立した後、スイスに移行(有効化、Validation)していないのにスイス特許庁(Swiss Federal Institute of Intellectual Property:IGE)からレターが届いたという経験をした方は多いと思います。

実際に
「スイス特許庁からドイツ語のレターが届いた。最初は詐欺レターかと思ったが内容を確認してみるとどうも実在する欧州特許に関する維持年金のリマインドに関するもののようなのだがどうしたらよいのか?そもそもスイスで欧州特許を有効化していないのになぜこのようなレターが届くのか?」
といった問い合わせを頂くことは稀ではありません。

それではなぜ欧州特許をスイスで有効化した記憶がないのにスイス特許庁から維持年金のリマインドレターが届くのでしょうか?

それはスイスでは積極的な手続きがなくもと欧州特許が自動的に有効化されるからです(過去の記事「Validationが自動的になされるEPC加盟国」をご参照ください)。

つまり欧州特許が成立するとスイス特許庁のRegisterに欧州特許のスイス部分が自動的に登録され、維持年金等の管理がなされます。

さらにスイス特許庁は維持年金期限の8週間前に特許権者に維持年金納付をリマインドするサービスを提供しています(Art. 18d PO)。

これらの理由から欧州特許をスイスで有効化した記憶がないのにスイス特許庁から維持年金のリマインドレターが届くという現象が発生します。

またスイス特許庁からのこのリマインドは無視しても問題ありません。そうすると自動的に有効化された欧州特許のスイス部分が維持年金不納により失効し翌年以降はスイス特許庁からのリマインドが届かなくなります。

ちなみにドイツでも欧州特許が自動的に有効化され、維持年金納付のリマインダーサービスが提供されています。したがってドイツでも欧州特許を有効化した記憶がないのに維持年金のリマインドレターが届くという現象は起こり得ます。しかし日本企業にとって欧州特許のドイツでの有効化を希望しない場合がそもそも稀なので不意打ちで維持年金のリマインドレターが届くという現象も稀といえます。

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