生成AIの発達によって、これまで外部にお願いしてきた業務の多くが代替可能になりました。
しかし、生成AIで代替可能になったからといって、すぐに生成AIに切り替わるかというと、実際はそうでもありません。私自身、「これは生成AIでもできるだろうな」と思いつつも、外部に依頼を続けている業務がいくつもあります。
この「切り替えない理由」は、生成AI時代に選ばれる弁理士であり続けるためのヒントになるのではないかと考えました。そこで、私自身が仕事をお願いし続けている依頼先の共通点を洗い出してみました。
① ミスが少ない
ミスが多いと、こちら側のチェックの負担が増えます。毎回細かく確認しなければならない状態は大きなストレスになり、生成AIに置き換えたり自動化したりする動機が強くなります。
逆に言えば、ミスが少なく安心して任せられる依頼先は、それだけで置き換える理由がなくなります。
② 問題点の列挙で終わらず、解決策の提案・実行までしてくれる
生成AIに相談すると、論点や選択肢は次々と出てきますが、基本的に議論は発散していきます。最終的にどれを選び、どう実行するかを決めるのは結局こちら側です。
問題点を並べるだけでなく、収束的に解決策を提案し、さらに実行まで担ってくれる依頼先は、こちらの負担を大きく減らしてくれます。
③ 面倒じゃない
これは①と②を包含する上位概念です。
そもそも仕事を依頼するのは、自分の負担を軽減するためです。依頼したことでかえって負担が増えるのでは本末転倒です。
①や②以外にも、たとえば何度も同じ質問をされる、少し考えれば分かることを確認される、といったことが続くと、こちら側の負担が増え、生成AIに置き換えたり自動化したりする動機が高まります。
④ 対応が迅速
クイックレスポンスは本当に助かります。依頼してすぐに反応が返ってくるだけで、業務全体の流れが滞らず、安心感も生まれます。
⑤ 担当者に対してポジティブな感情がある
相性の良い人と仕事をするのは、純粋に楽しいものです。これは依頼を継続する大きな理由になっています。
⑥ 進化している
お願いした業務について、私自身が知らない情報まで調べて業務に活かしてくれることがあります。同じ仕事を任せ続けていても、提供されるサービスの質が少しずつ上がっていくのを実感できるのは素晴らしいです。こうした依頼先は私自身にとっても大きな刺激となるため、是非とも関係を維持したいと思えます。
まとめ
以上の①〜⑥の条件を満たした依頼先と一緒に仕事をすることはとても気持ちが良く、エンターテイメントの一種と言っても過言ではありません。個々の業務タスク自体は生成AIで代替可能かもしれませんが、この安心感そしてエンターテイメント性は生成AIからは得られません。
私自身もクライアントから仕事を依頼される立場として、これは弁理士業務にもそのまま当てはまると考えています。明細書作成や中間対応、翻訳チェックなど、生成AIで一定程度こなせる業務は今後ますます増えていくかと思います。しかしその中でクライアントに選ばれ続けるためには、上記のような任せていて安心でそして一緒に仕事をして楽しい存在であり続けることが重要であると感じます。
私自身も、クライアントにとってそのような存在であれるよう、日々精進していきたいと思います。
