UPCに対するOpt Out申請を外部に依頼する際に必要な情報

近々のUPC協定の発効が現実的になってきた今、多くの日本企業は既に自社の欧州特許についてOpt Out申請をするか否かを検討しているかと思います(Opt Outって何?という方は過去の記事「欧州単一特許制度についてよくあるQ&A」をご参照ください)

またOpt Outは代理人を経由せずに自ら申請することができますが(Rule 5(3)UPC Rules of Procedure )、多くの特許権者にとっては手続きが煩雑すぎるのでOpt Outを自ら申請するのはあまり現実的ではありません。したがって多くの日本企業がOpt Out申請を外部に依頼することを検討していると思われます。

これに関してよく頂戴するが「Opt Out申請を外部に依頼する際にどのような情報を伝えるべきか?」というご質問です。

Opt Out申請に必要な情報は第18版草案版のRules of Procedure of the Unified Patent Court (以下単に「RoP」)の5条3(a)に明記されています。

(a) the name of each proprietor or applicant for the European patent or application and of the holder of any supplementary protection certificate based on the European patent in question, and all relevant postal and, where applicable, electronic addresses.

このRoPの5条3(a)からは特許権者の名前および住所がOpt Out申請のために必須であることが分かります。

さらにOpt Out申請のために必要な情報は現在UPCのCase Management Systemから入手可能なOpt Out申請のテンプレートのドラフトからも読み取ることができます。現在のOpt Out申請のテンプレートのドラフトの最初のページは以下のようになっています。

このOpt Out申請のテンプレートのドラフトの最初のページから、Opt Out申請には「公開番号(PUBLICATION NUMBER of the European patent)」および「欧州特許が付与されたEPC加盟国(EPC state in which the patent has been granted)」も必要であることが分かります。

ここで問題なのが「欧州特許が付与されたEPC加盟国」が一体何を意味するのかということです。「欧州特許が付与されたEPC加盟国」の意味として以下の①~③の3通りの解釈が可能です。

①欧州特許の登録時に指定されていたEPC加盟国
②欧州特許が登録時に有効化されたEPC加盟国
③欧州特許が現在でも有効なEPC加盟国

しかし現時点で私が知る限り上記①~③のうちどれがOpt Out申請のテンプレートの「欧州特許が付与されたEPC加盟国」に該当するかが公式に明確にされていません。

つまり現時点で確実な、Opt Outの申請を外部に依頼する際に伝えるべき情報は、

・欧州特許の公開番号
・欧州特許の特許権者の名前および住所
・欧州特許が付与されたEPC加盟国(ただしこれが何を意味するかは現時点では不明)

です。

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