日本では方法クレーム中の手段が同じであっても用途が異なれば、異なる発明と解釈されることがあります。
例えば、平成25年行ケ第10255号審決取消請求事件では、「芝草の密度,均一性及び緑度を改良するための」方法に関するクレームは、引用文献に示された「芝生を全体にきれいな緑色に着色するための」方法と同じ手段を有するものの、用途が異なることから新規性を有すると判断されています。
一方でドイツでは方法クレーム中の用途限定は、一般的にあくまで例示的なものであるとして、発明を限定しないと解釈されます(BGH X ZB 9/09)。したがって上記日本の例の場合、ドイツでは新規性がないと判断される可能性が高いです。
またクレーム中の用途限定が発明を限定しないという考え方は、侵害訴訟の場でも適用されます。このため実施されている方法の用途が異なったとしても手段が特許された方法発明と同じであれば、仮に発明者が当該用途を認識していなかった場合であっても、権利範囲に属するとさることがあります(RGZ 85, 95)。
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