ドイツ特許実務

シフト補正(ドイツ)

以前の記事で、欧州特許条約(EPC)には日本特許法第17条の2第4項(いわゆるシフト補正の禁止)に似た規定(EPC規則137条(5))があることを説明致しました。 一方でドイツ特許法の補正に関する規定(ドイツ特許法38条)は、新規事項の追加...
ニュース・コラム

欧州特許庁が審査官を募集

欧州特許庁における審査官は高待遇であることで有名です。噂によるとEP審査官の月収の手取額は16000ユーロ(日本円に換算すると約200万円!)でリタイア後の年金もかなりの額と聞いたことがあります。さらに年間30日の有給が与えられます。また驚...
出願

欧州特許庁による出願公開の対象となる書面(EPC153条(4))

国際公開が欧州特許庁の公用語以外で行われた場合、欧州特許庁は公用語による翻訳文を公開します(EPC153条(4))。 ここで公開される翻訳文とは国際出願時の書面の翻訳文となります(Guide for applicants, Part 2参照...
ドイツ特許実務

ドイツ意匠権の存続期間

特許庁の外国産業財産権侵害対策等支援事業の資料によると、ドイツ意匠権の存続期間は、 (1)1988年7月1日より前の出願日の意匠権:出願日から3年。延長申請により最長15年間。 (2)1988年7月1日以降で2004年6月1日より前の出願日...
出願

指定国・拡張国料金(欧州)

欧州特許出願特有の料金である指定国・拡張国料金の納付期限および金額は以下の通りです。納付期限:・PCT経由の欧州特許出願(EURO-PCT出願)の場合  優先日から31ヶ月以内(移行期限内)(EPC規則159条) ・欧州特許庁に直接した欧州...
欧州特許実務

匿名での情報提供および異議申立(欧州)

情報提供や異議申立では、自社の名前を出願人または権利者に知られてはマズい、または出来れば知られたくないと言った事情が存在することが多々あります。  情報提供は、欧州特許庁のHPから完全に匿名ですることができます。具体的には、欧州特許庁の情報...
各国制度

各加盟国における仮保護(Provisional Protection)の要件

欧州特許出願の仮保護(Provisional Protection)とは、出願公開を条件に、出願人に与えられる権利です(EPC第67条)。日本でいうところの補償金請求権に対応する権利と思っていただければよいです。 仮保護を受けるには、原則仮...
ドイツ特許実務

ドイツにおける維持年金の納付期限

ドイツ特許庁では、維持年金は、出願日の各年の応当日が属する月の末日(満了日)までに支払わなければなりません(PatKostG第3条(2))。 また満了日1年前から維持年金を納付することが可能です(PatKostG第5条(2))。 しかし、満...
欧州特許実務

EPOにおける数値範囲の新規性

請求項に記載された発明の数値範囲が、引用例の数値範囲に含まれ、かつ数値範囲以外の構成に差異がない場合、EPOは通常発明の新規性を否定してきます。 例: 請求項1:物質Xを3~5%含むアルミ合金 引用例:物質Xを1~8%含むアルミ合金 この場...
出願

国際調査機関別EP出願のフロー

日本国特許庁を受理官庁として、英語でPCT出願した場合、国際調査機関を日本国特許庁および欧州特許庁から選択することができます。近年日本のお客様でも英語でPCT出願し、欧州特許庁を国際調査機関として選択される方が増えています。ここで注意すべき...
欧州特許実務

欧州の拡大先願(EPC54条(3))における加盟国国内出願の取り扱い

欧州におけるいわゆる拡大先願(EPC54条(3))の適用は先の出願もEP出願である場合にのみ適用されます(過去記事参照)。 したがって、例えばEP出願のクレーム内容が、EP出願の日前にされた出願であってEP出願の日後に公開されたドイツ出願が...
欧州特許実務

出願日別の拡大先願(EPC54条(3))の運用

EPC54条(3)の規定が、概ね日本の29条の2(拡大先願)と同様の規定であることは前回説明しました。 当該EPC54条(3)の運用は、後のEP出願の出願日によって異なり、対応手段も異なってくるので留意が必要です。1.「後のEP出願」の出願...
欧州特許実務

医薬用途を有する化合物クレームの記載方式

通常のEPOの実務では、物の用途に新規性があっても物が公知であれば、物としての新規性は認められません。しかし、公知の物質又は組成物であっても、それが新規の治療方法又は診断方法(医薬用途)に用いられる場合、当該公知の物質又は組成物の用途を当該...
ドイツ特許実務

職務意匠の権利の帰属(ドイツ)

ドイツでは職務意匠についての一切の権利は、特段の契約を交わした場合を除いて、使用者に帰属します(ドイツ意匠法第7条(2))。 また、前回説明した職務発明制度と異なり、職務意匠については、使用者にはなんら義務が発生しません。 すなわち、使用者...