ドイツでは分割宣言してから3月後にクレームを提出できます

以前の記事「修正版分割の時期的要件(ドイツ)」でも説明しましたが、ドイツではAppealを請求しない場合、特許査定後または拒絶査定後に分割ができる期間は1月しかありません。

この1月という分割期間は在外者である日本の出願人にとって酷であるという声もあります。

一方で日本であまり知られていませんが、ドイツにおける分割出願の手続きは分割宣言(Teilungserklärung)と分割宣言から3月以内に行う費用納付・書面提出との2つの手続きに分かれています(ドイツ特許法39条)。つまりドイツでは日本や欧州特許庁のように分割の際にいきなり分割出願書面を提出するのではなく、まず「分割します」と宣言した後にクレームおよび明細書を含む出願書面を提出します。

そして上述の査定後1月という分割期間は査定後1月以内に分割宣言をしなければならないことを意味し、クレームおよび明細書を含む出願書面を査定後1月以内に提出しなければならないことを意味するものではありません。

つまりドイツで実際に分割出願のクレームを検討できる期間は分割期間(1月)+書面提出期間(3月)で査定後最長4月となります。

また分割宣言後3カ月以内に費用納付・書面提出をしなかった場合は、単に分割宣言がなされなかったものとみなされるだけで特段ペナルティはありません(ドイツ特許法39条(3))。

このため例えばドイツで拒絶査定を受けた場合は分割出願の可能性を確保するためにとりあえず分割宣言だけはしておき、実際の分割出願の必要性およびクレームの検討は分割宣言後に後回しにすることをお勧めします。

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