1.背景
先日の記事「コロナ禍はEPOの生産性に影響を与えたか?」でコロナ禍が欧州特許庁の審査の生産性に影響を与えたかについて調べてみました。今回はコロナ禍がドイツ特許庁の審査の生産性に影響を与えたかについて調べてみました。より具体的には今年の1月~5月のOAおよび特許査定の発行数を2019年および2018年のそれと比較してみました。
2.調査に用いたツール
サーチツール:DPMA Register Expert
検索式:
OA数: {VST = pruefung-bescheid-ergangen UND VSTT=MX-20XX}
特許査定数: {VST = pruefung-erteilungsbeschluss UND VSTT=MX-20XX}
3.結果
3.1.OAの発行数
1月~5月の発行数の合計
2020年:22280
2019年:24459
2018年:23842
3.2.特許査定の発行数
1月~5月の発行数の合計
2020年:11353
2019年:10344
2018年:7238
4.考察
上記結果からもわかるようにドイツがロックダウンをしていた3月~5月の間もOAおよび特許査定の発行数は例年と比較して落ちていません。このことはコロナ禍はドイツ特許庁の審査の生産性に影響を与えなかったと言えます。
ドイツ特許庁ではもともとコロナ禍前から約1/3の審査官がリモートで働いていたようなので(https://www.dpma.de/dpma/karriere/warum_zum_dpma/index.html)、ロックダウンに伴うリモートワークへの移行による影響をそれほど受けなかったと考えられます。
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