欧州特許実務

ニュース・コラム

欧州代理人を替えずに代理人費用を抑えるには

新型コロナウイルスの影響による景気の悪化に対する懸念が世界的に広がっています。我々が所属する知財セクターも当該影響と無縁ではありません。日本では特許出願数が未だ回復していませんし、知財部の予算が削られた会社が多くあると聞きます。 このように...
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欧州特許庁における審判の概要

欧州特許庁における審判(Appeal)の概要をまとめてみました。 審判手続の種類 ・査定系(ex parte)手続き (審査部の決定に対する審判) ・当事者系(inter partes)手続き (異議部の決定に対する審判) ・日本特許庁の無...
中間

EPOでの進歩性についてよくあるQ&A

欧州特許庁での進歩性はProblem Solution Approachという手法に基づいて判断されます(Problem Solution Approachって何?という方は過去の記事「Problem Solution Approachの3...
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EPOで用途発明の新規性が無いと判断された場合はUSEクレームが使えます

日本ではある物の未知の属性を発見し、この属性により、その物が新たな用途への使用に適することを見いだしたことに基づく発明は用途発明として新規性が認められます(審査基準 第III部 第2章 第4節 3.1.2)。 例: 本願発明:特定の4級アン...
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よく聞くけど、イマイチ分かってない、けれども今更聞けないEPOの用語集

欧州案件を担当しているとよく聞くけど、イマイチよく分かってない、けれども今更聞けないといった方が多いのではないかと思われる欧州特許庁の用語をまとめてみました。 指定料(designation fee) 2007年までは欧州特許出願をする際に...
中間

どんな場合に課題が単なる代替物の提供と認定されてしまうか

以前の記事「Problem Solution Approachの3つのステップ」で欧州特許庁における進歩性の判断では主文献(Closet Prior Art)に対する差異点の技術的効果に基づいて客観的技術的課題(Objective Tech...
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EPOにおける進歩性の議論では「課題が新規」という主張は効果がありません

日本では課題が新規であり当業者が通常は着想しないようなものである場合は進歩性を肯定する材料として考慮されます(審査基準 第III部 第2章 第2節 3.3)。このため日本では進歩性の議論の際に課題が新規であることを主張することがよくあります...
出願

技術的とは?データ編

以前の記事「技術的とは?数学的方法・人工知能編」ではソフトウェア関連発明のうち数学的方法または人工知能の分野に絞って、どんな特徴が欧州特許庁では技術的と判断され、進歩性の判断の際に考慮されるについて解説しました。 今回はデータに絞って、どん...
出願

技術的とは?数学的方法・人工知能編

以前の記事「ソフトウェア関連発明がEPOで越えなければならない2つのハードル」でソフトウェア関連発明の「どんな特徴が技術的と判断されるかについてはまた別の機会に解説したいと思います」とアナウンスした通り技術的特徴ついて解説します。 今回はソ...
出願

今月からパリルートの欧州特許出願ではDASコードが必要になります

欧州特許庁はこれまで日本の優先権書類がWIPOのDigital Access Service (以下「DAS」)から入手できない場合であっても、無料で日本の優先権書類を入手し包袋に含めるというサービスを提供していました(ガイドラインA-II...
中間

欧州特許庁における数値範囲の補正

欧州特許庁は補正による新規事項の追加に厳しいことで有名ですが、数値範囲の補正については思いの外寛大です。 以下に例を用いて欧州特許庁で数値範囲について(1)確実に許される補正、(2)場合によっては許される補正、(3)確実に許されない補正を説...
出願

欧州では機能のみの特定で抗体発明の特許を取得できます

日本では抗体発明に関する特許出願をした場合、審査過程で6つのCDR配列および場合によってはフレームワークもクレームで特定することが通常求められます。このため例えば「抗原Xに対する抗体」というふうに抗体の構造を特定することなく抗体の機能だけの...
中間

ソフトウェア関連発明がEPOで越えなければならない2つのハードル

欧州特許庁でソフトウェア関連発明の特許性を認めてもらうには他の分野の発明と比較して追加で以下の2つのハードルを乗り越えなければなりません。 1.第1のハードル EPC52条(2)は、数学的方法や精神的活動、法則、情報の提示などそれ自体は発明...
出願

クレームの主題では無い有体物を引用した特定はしないほうがよいです

日本では「エンジンの場所Xに配置されることを特徴とするシリンダヘッド」のようにクレームの主題(subject matter)ではない有体物を引用して発明を特定することがあります。 欧州ではこのような特定方法は外的有体物の引用による特定(De...