欧州特許実務

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優先権の移転証書の雛形

先日の記事「優先権の譲渡証書でよくある不備3つ」で触れた優先権の移転証書の雛形を皆様ご存知島耕作シリーズをモデルに作成してみました。 より具体的には島耕作が所属する初芝電機と初芝電機のライバルであるソムサン電子とが協同で基礎出願をし、その後...
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優先権の譲渡証書でよくある不備3つ

以前の記事「基礎よりも出願人を減らす場合は、EP出願後に権利譲渡する方がよいです」で説明しましたが、基礎出願よりも後の欧州特許出願の出願人が少ない場合、欧州特許庁は優先権が移転された証拠として譲渡証書の提出を求めてくる場合があります。この譲...
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EPOではEESRの応答後必ず1回は審査通知が発行されます

日本特許庁は最初の拒絶理由通知に対する対応後にいきなり拒絶査定を発行することができます。このため最初の拒絶理由通知の応答時であってもあまりにもチャレンジングな対応をすることは躊躇していまします。 それに対して欧州特許庁では拡張調査報告(EE...
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2021年版EPOガイドラインで新設された抗体の進歩性に関する項の和訳(G-II, 5.6.2)

5.6.2 抗体の進歩性 既知の抗原に結合する新規なさらなる抗体を定義する請求項の主題は、驚くべき技術的効果が出願によって示されない限り、進歩性を伴わない。既知の抗体と比較した場合の驚くべき技術的効果の例としては、例えば、親和性の向上、治療...
ニュース・コラム

欧州代理人を替えずに代理人費用を抑えるには

新型コロナウイルスの影響による景気の悪化に対する懸念が世界的に広がっています。我々が所属する知財セクターも当該影響と無縁ではありません。日本では特許出願数が未だ回復していませんし、知財部の予算が削られた会社が多くあると聞きます。 このように...
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欧州特許庁における審判の概要

欧州特許庁における審判(Appeal)の概要をまとめてみました。 審判手続の種類 ・査定系(ex parte)手続き (審査部の決定に対する審判) ・当事者系(inter partes)手続き (異議部の決定に対する審判) ・日本特許庁の無...
中間

EPOでの進歩性についてよくあるQ&A

欧州特許庁での進歩性はProblem Solution Approachという手法に基づいて判断されます(Problem Solution Approachって何?という方は過去の記事「Problem Solution Approachの3...
中間

EPOで用途発明の新規性が無いと判断された場合はUSEクレームが使えます

日本ではある物の未知の属性を発見し、この属性により、その物が新たな用途への使用に適することを見いだしたことに基づく発明は用途発明として新規性が認められます(審査基準 第III部 第2章 第4節 3.1.2)。 例: 本願発明:特定の4級アン...
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よく聞くけど、イマイチ分かってない、けれども今更聞けないEPOの用語集

欧州案件を担当しているとよく聞くけど、イマイチよく分かってない、けれども今更聞けないといった方が多いのではないかと思われる欧州特許庁の用語をまとめてみました。 指定料(designation fee) 2007年までは欧州特許出願をする際に...
中間

どんな場合に課題が単なる代替物の提供と認定されてしまうか

以前の記事「Problem Solution Approachの3つのステップ」で欧州特許庁における進歩性の判断では主文献(Closet Prior Art)に対する差異点の技術的効果に基づいて客観的技術的課題(Objective Tech...
中間

EPOにおける進歩性の議論では「課題が新規」という主張は効果がありません

日本では課題が新規であり当業者が通常は着想しないようなものである場合は進歩性を肯定する材料として考慮されます(審査基準 第III部 第2章 第2節 3.3)。このため日本では進歩性の議論の際に課題が新規であることを主張することがよくあります...
出願

技術的とは?データ編

以前の記事「技術的とは?数学的方法・人工知能編」ではソフトウェア関連発明のうち数学的方法または人工知能の分野に絞って、どんな特徴が欧州特許庁では技術的と判断され、進歩性の判断の際に考慮されるについて解説しました。 今回はデータに絞って、どん...
出願

技術的とは?数学的方法・人工知能編

以前の記事「ソフトウェア関連発明がEPOで越えなければならない2つのハードル」でソフトウェア関連発明の「どんな特徴が技術的と判断されるかについてはまた別の機会に解説したいと思います」とアナウンスした通り技術的特徴ついて解説します。 今回はソ...
出願

今月からパリルートの欧州特許出願ではDASコードが必要になります

欧州特許庁はこれまで日本の優先権書類がWIPOのDigital Access Service (以下「DAS」)から入手できない場合であっても、無料で日本の優先権書類を入手し包袋に含めるというサービスを提供していました(ガイドラインA-II...