各国制度

各加盟国における仮保護(Provisional Protection)の要件

欧州特許出願の仮保護(Provisional Protection)とは、出願公開を条件に、出願人に与えられる権利です(EPC第67条)。日本でいうところの補償金請求権に対応する権利と思っていただければよいです。仮保護を受けるには、原則仮保...
ドイツ特許実務

ドイツにおける維持年金の納付期限

ドイツ特許庁では、維持年金は、出願日の各年の応当日が属する月の末日(満了日)までに支払わなければなりません(PatKostG第3条(2))。 また満了日1年前から維持年金を納付することが可能です(PatKostG第5条(2))。しかし、満了...
欧州特許実務

EPOにおける数値範囲の新規性

請求項に記載された発明の数値範囲が、引用例の数値範囲に含まれ、かつ数値範囲以外の構成に差異がない場合、EPOは通常発明の新規性を否定してきます。例:請求項1:物質Xを3~5%含むアルミ合金引用例:物質Xを1~8%含むアルミ合金この場合であっ...
出願

国際調査機関別EP出願のフロー

日本国特許庁を受理官庁として、英語でPCT出願した場合、国際調査機関を日本国特許庁および欧州特許庁から選択することができます。近年日本のお客様でも英語でPCT出願し、欧州特許庁を国際調査機関として選択される方が増えています。ここで注意すべき...
欧州特許実務

欧州の拡大先願(EPC54条(3))における加盟国国内出願の取り扱い

欧州におけるいわゆる拡大先願(EPC54条(3))の適用は先の出願もEP出願である場合にのみ適用されます(過去記事参照)。 したがって、例えばEP出願のクレーム内容が、EP出願の日前にされた出願であってEP出願の日後に公開されたドイツ出願が...
欧州特許実務

出願日別の拡大先願(EPC54条(3))の運用

EPC54条(3)の規定が、概ね日本の29条の2(拡大先願)と同様の規定であることは前回説明しました。 当該EPC54条(3)の運用は、後のEP出願の出願日によって異なり、対応手段も異なってくるので留意が必要です。1.「後のEP出願」の出願...
欧州特許実務

医薬用途を有する化合物クレームの記載方式

通常のEPOの実務では、物の用途に新規性があっても物が公知であれば、物としての新規性は認められません。しかし、公知の物質又は組成物であっても、それが新規の治療方法又は診断方法(医薬用途)に用いられる場合、当該公知の物質又は組成物の用途を当該...
ドイツ特許実務

職務意匠の権利の帰属(ドイツ)

ドイツでは職務意匠についての一切の権利は、特段の契約を交わした場合を除いて、使用者に帰属します(ドイツ意匠法第7条(2))。また、前回説明した職務発明制度と異なり、職務意匠については、使用者にはなんら義務が発生しません。すなわち、使用者には...
ドイツ特許実務

ドイツの従業員発明制度における使用者の義務

ドイツでは従業者がした従業員発明(Diensterfindung)は、発明の届出後は通常自動的に使用者に帰属します(従業者発明法第6条)。また従業員発明の届出は従業者の義務です(従業者発明法第5条)。このようにドイツでは従業員発明制度におい...
ドイツ特許実務

ドイツ特許庁における特許異議申立(Einspruch)

ドイツ特許を攻撃する手段として無効審判(Nichtigkeitsklage)のほかにドイツ特許庁の審査部が担当する異議申立(Einspruch)があります。異議申立の要件を以下に簡単にまとめます。時期的要件:特許登録公報の公開から3ヶ月9か...
ドイツ特許実務

ドイツ特許庁による無料ウォッチングサービス

ドイツ特許庁は、、公開特許公報や経過情報が更新された場合に、電子メールで報告するサービス(ウォッチングサービス)を無料で提供しています。サービスを受けるためには、まずドイツ特許庁のHPからユーザ登録をします。ユーザ登録をするとURLが添付さ...
ドイツ特許実務

ドイツ特許庁による先行技術調査

日本にはなくドイツにある制度で「ドイツ特許庁による審査請求前の先行技術調査(ドイツ特許法第43条)」があります。この「ドイツ特許庁による審査請求前の先行技術調査」は、審査前に出願の特許性についての束縛力の無い見解を示すという点で国際調査や欧...
ドイツ特許実務

ドイツ特許庁へのPPH申請の要件

1.前提・対応日本出願が存在すること・対応日本出願がJPOにより特許可能と示された少なくとも一の請求項を有していること・ドイツ特許庁において審査が着手されていないこと2.手続的要件・ドイツ出願の請求項は、日本出願の特許可能と示された請求項に...
その他

プロダクト・バイ・プロセス・クレーム(EP、ドイツ)

EPOおよびドイツでは、プロダクト・バイ・プロセス・クレーム(物の発明において特許請求の範囲に製造方法が記載されている形式)においてはプロセス(製造方法)を除外して、新規性・進歩性の判断および権利範囲が認定されます。したがって、プロダクト・...