ドイツでは事前OA無しの一発特許査定があり得ます
欧州特許庁は仮に欧州特許出願の対象の特許性に問題が無いと判断した場合であっても特許査定前に必ず以下の2通のOAを発行し、出願人に補正をする機会を与えます。 ‐EPC規則70a(2)条の通知(EESRに対してコメントする機会を与える通知) ‐...
ドイツに出向した駐在員がした発明にはドイツ従業者発明法が適用されます
ドイツにおける職務発明を規定するドイツ従業者発明法が従業者にやさしく、使用者に非常に厳しいことをご存じの方は多いかと思います。ここで気になるのが使用者がドイツ国外企業である場合にもドイツ従業者発明法の適用があるか否かです。例えば日本企業から...
ドイツにおける特許権の共有者の権限
日本特許法73条2項により日本では特許権が共有に係るときは、各共有者は原則他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができます。一方で各共有者は、他の共有者の同意を得なければ実施権の設定許諾ができません(日本特許法73条3項)。...
国境をまたぐビジネスで特許権侵害が成立する場合 ドイツ編
国境をまたぐビジネスによる特許権侵害を取り扱った昨年の知財高裁のドワンゴ対FC2事件はまだ多くの知財関係者の記憶に新しいかと思います。 今回は国境をまたぐビジネスによる特許権侵害を取り扱ったドイツのデュッセルドルフ高裁によるマイルストーン的...
ドイツにおける特許権侵害に対する取締役の個人責任
日本では会社が特許権を侵害した場合、会社だけでなく会社の取締役個人に対して損害賠償請求が認められることがあります(例えばABE&PARTNERS News Letter No.59参照)。 ドイツでも会社が特許権を侵害した場合、会社だけでな...
ドイツではイ号がクレームとは別の用途に用いられる場合であっても侵害となることがあります
以前の記事「用途限定の解釈(ドイツ)」ではドイツでは物の発明における用途限定は原則的にクレームの範囲を限定しないと説明しました。この考えは特許性の判断時だけでなく侵害判断時にも適用されます。すなわちドイツではイ号がクレームに記載された用途以...
ドイツの新国内移行期限31カ月はどのPCT出願に適用されるか
ご存知の方も多いかと思いますがドイツでは2021年8月17日に公布された「第2次特許法等改正に係る特許法の簡素化・現代化のための法律(Zweites Gesetz zur Vereinfachung und Modernisierung d...
欧州特許とドイツ国内特許との間のダブルパテントの取扱い UPC協定発効後編
以前の記事「欧州特許とドイツ国内特許との間のダブルパテントの取扱い」では、欧州特許と同一の優先権を主張するドイツ出願について特許が付与された場合、InPatÜGのArt.II、§8に従いドイツ国内特許は、欧州特許と重複する部分において効力を...
ドイツ特許法改正案における差止請求権の制限の解説
はじめに ドイツでは昨年から「第2次特許法等改正に係る特許法の簡素化・現代化のための法案(Zweites Gesetz zur Vereinfachung und Modernisierung des Patentrechts )」の下、特...
ドイツでは職務発明の争いはまずは特許庁内の仲裁機関の管轄になります
日本では発明の帰属や発明の対価などの職務発明に関する争いはいきなり裁判所が管轄となります。 一方でドイツでは職務発明に関する争いは原則まずドイツ特許庁内の仲裁機関(Schiedsstelle)が管轄し、当該仲裁機関で当事者間での合意に至らな...
ドイツでは複数形の用語は単数も含むと解釈されます
侵害、非侵害の判断ではクレームの構成要素が単数であるか複数であるかが重要になることがあります。英語と同様にドイツ語でも単数と複数との区別があるので、ドイツ特許におけるクレームの構成要素が複数形で記されてる場合は、その構成要素が単数である形態...
マンハイム地裁でのNokia対Daimler侵害訴訟のイベントのまとめ
以前の記事「マンハイム地裁でのNokia対Daimler侵害訴訟の背景のまとめ」ではマンハイム地裁でのNokia対Daimler侵害訴訟の背景を簡単に紹介しました。今回の記事ではマンハイム地裁でのNokia対Daimler侵害訴訟の判決まで...
ドイツにおける従業員発明制度のフローチャート 複雑編
以前の記事「ドイツの従業員発明制度における使用者の義務」では使用者には従業員発明の取り扱いにおいて以下の6つの義務があることを説明しました。 1.従業員発明の承認 2.対価の支払い義務 3.国内出願義務 4.外国出願をしない場合の受ける権利...
マンハイム地裁でのNokia対Daimler事件の判決要旨
以前の記事「マンハイム地裁でのNokia対Daimler侵害訴訟の背景のまとめ」でマンハイム地裁におけるNokia対Daimler侵害訴訟の判決の背景を説明しました。そしてついにこの判決の全文が公開されました。 公開された判決の要旨(Lei...