欧州特許実務

中間

口頭審理の召喚状が来てもまだ特許査定のチャンスはあります

欧州特許庁の審査過程では日本のようにいきなり拒絶査定がなされることがなく、口頭審理の召喚状が発行され、口頭審理において出願人に口頭で特許性を主張する機会を与えてから拒絶査定がなされます(EPC116条)。口頭審理の召喚状は通常、口頭審理の日...
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欧州向けの出願では無理にでも1カテゴリー1独立クレームにしたほうが良いです

欧州特許庁では以下のEPC規則43条(2)の規定により原則1つカテゴリー(物、方法、使用)について1つの独立クレームしか許可されません。EPC規則43 クレームの形式及び内容(2) 第82条を損なうことなく,欧州特許出願は,同一範疇(製品,...
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欧州向け出願ではクレーム数を多くしたほうがよいです

日本からの欧州特許出願の中にはクレーム数が例えば2~5程度と少ない出願が散見されます。しかし出願時のクレーム数が少ないことは以下の2つの理由から欧州では好ましくありません。1.拒絶理由が小出しにされる欧州特許庁の調査部門は独立クレームおよび...
欧州特許実務

欧州特許庁における異議の概要

欧州特許庁における異議の概要をまとめてみました。手続き欧州特許庁における異議は日本と異なり異議申立人と特許権者とが対立する当事者系の手続きとなります。つまり異議申立人と特許権者との間で議論がなされ、そして欧州特許庁の異議部が最終決定を下しま...
欧州特許実務

EPOにおけるクレーム手数料についてよくあるQ&A

欧州特許庁ではクレームが15を超えた場合に1クレームごとに追加のクレーム手数料の納付が求められます(EPC規則45条(1))。このクレーム手数料に関するよくある質問をQ&A形式でをまとめてみました。Q. クレーム手数料っていくらですか?A....
欧州特許実務

欧州ではプロダクトバイプロセスクレームが結構使えます

日本では2015年の最高裁の判決以来、無効理由を包含する恐れのあるプロダクトバイプロセスクレームは避けられる傾向にあります。このため日本の出願人が国外で権利を取得する際にもプロダクトバイプロセスクレームが活用されることはあまりありません。し...
欧州特許実務

パリルートで優先期間満了前に欧州特許出願をしても早期権利化効果はありません

欧州での早期権利化を意図して優先期間の満了前にパリルートで欧州特許出願がされる場合があります。しかしパリルートの欧州特許出願の場合、審査の開始時期は出願日を基準に決められるのではなく優先日を基準に決められます(EPC規則70条(2))。この...
欧州特許実務

スイス特許庁のFTO調査サービスってどうなの?

欧州でFTO(Freedom to operate )調査をする場合は英語の特許文献だけではなく、最低限、ドイツ語そしてフランス語の特許文献まで調査範囲を広げなければなりません。このような多言語のFTO調査を一定以上の品質を保ちながら実行で...
出願

欧州向けのクレームでは略○○といった表現を避けたほうがよいです

日本でのクレームでは例えば略平行というように略○○といった表現がよく用いられます。これは完全な平行だけでなく一定の誤差範囲内の実質的な平行も権利範囲に含ませることを意図したものだと思われます。しかしこの略○○といった表現は欧州では以下の3つ...
欧州特許実務

欧州では”Incorporation by Reference”を使えません

米国では他の文献を参照して引用(Incorporation by Reference)することで、明細書の記載が省略ができる場合があります。このため米国での権利化を意識したPCT出願でも他の文献を参照して引用することがよくあります。しかし欧...
欧州特許実務

欧州でダミーで異議申立てをすることのデメリット

欧州特許庁において自らの名前をバラさずに異議を申し立てたい場合には、代理人名義で異議を申し立てたり、Strawman Limitedのような名義貸しサービス会社を利用して異議を申し立てることがあります。このようにダミーで異議を申し立てた場合...
出願

欧州では発明の課題を謙虚にした方がよいです

明細書における発明の課題の記載には発明者の発明に対する情熱が反映されやすいので、壮大になりがちです。しかし欧州での権利化を想定している場合には明細書における発明の課題の記載はサポート要件の観点から謙虚したほうがよいです。
欧州特許実務

EPOでは新たな従属クレームを追加する補正はあまり意味がありません

欧州特許出願のOA対応でクレーム1は補正せず、新たな従属クレームを追加する補正の指示を受けることがあります。これは補正無しのクレーム1の特許性が認められなかった際には新たに追加した従属クレームの審査してもらうことを期待した指示だと思われます...
欧州特許実務

EPOおける異議で特許権者から和解を提案する好ましい3つのタイミング

欧州特許庁での異議(Opposition)は特許権者にも異議申立人にも費用および手間の面で多大な負担になります。この多大な負担を避けるため、異議申立後に特許権者から異議申立人に異議の取下げを条件に和解を提案することがあります。特に異議申立人...